英語学習者にとって英単語を覚えることは、気の遠い作業のように感じ、苦労していることでしょう。
私もかつてはそうでした。
時間をかけて暗記しても、覚えても次の日には忘れてしまうことがしょっちゅうでした。
モチベーションを上げるために、お気に入りの単語カードを使ったり、本にマーカーを入れて赤や緑のシートをつかって、単語を暗記したりしても、結果はイマイチ。
こういった作業は単調で、時間を費やしても手応えを感じられないと思っているあなたに、カナダ在住12年目の私が実践した、中学生で習う英単語の覚え方のコツを伝授します。
どうか最後までお付き合いくださいね。
1. なぜ英単語を覚える必要があるのか?
なぜ、英単語を覚える必要があるのでしょうか?
英文は多くの単語でできています。
単語を覚えていないと文章が単調になってしまい、会話が成り立たなくなります。
英文法を知っていても文章を作るための単語を知らないと、まともな文章を綴ることすらできません。
私がカナダに来たとき、一番最初に詰まったのは圧倒的な英単語量の少なさでした。
そのせいで会話ができず友達になりたいと思っても、関係すら築けずに終わってしまったという痛い経験を何度もしています。
特に仕事で英語を使う場合、ネイティブの人に引けを取らないコミュニケーターになりたいものです。
そんな時、英単語をたくさん知っていることは、あなたにとっての強みになります。
2. 英単語の勉強の心構え3つのポイント
英単語を覚えるために私が心がけたことは次の3つです。
- 毎日必ず勉強する時間を作る
- タスクを作り、覚えきる
- 1つの本を繰り返し、単語がすぐに出てくるようになるまで覚える
1. 毎日必ず勉強するための時間を作る
英単語を覚えるのは単調な作業です。
結果も見えづらいので忘れてしまった単語が出てくると、気持ちがめげてしまったり、投げ出したくなってしまいます。
ここで大切なことは最後まで諦めないことです。
どんなに忙しくても毎日時間を作り勉強する時間を作るようにします。
通学・通勤時間やお昼休みなどのスキマ時間を上手に使って勉強するのもコツの1つです。
私の場合は単語の勉強をしてから、昼食を摂っていました。
お腹を満たしてからの状態だと眠気が出てしまい、集中できないからです。
2. タスクを作り、覚えきる
私は1日16単語を覚えきるという目標をつくり、毎日取り組んでいました。
最初は覚えるのに思ったより時間がかかってしまい、どうしようと不安に思ったものです。
でも繰り返すうちに、短時間でも集中して覚える方法を知り、覚えられるようになっていきました。
英単語の学習を通して習慣化することの大切さを学びました。
3. 1冊の本を繰り返し学習し、完全に覚えきる
1つの本だけに集中するとなったとき、「本当にこの本で大丈夫なのだろうか」という不安がありますよね。
私は今まで長続きしたことがなかったので、ことさら不安でした。
ところが、私が選んだ本は基本中の基本だったので「ここで覚えきれなかったら、次のレベルに行けない」と気持ちを追い込むことができました。
この気持ちがモチベーションとなり、すぐに投げ出すことなく勉強することができました。
3. 中学生で習う英単語から始める理由
なぜ、中学生で習う英単語が良いのでしょうか?
日本の英語学習者の多くは英語初心者で、近年中学校で使われている教育用例文コーパス(SCoRE)が英語学習に適していると言われています。
教育用例文コーパス(SCoRE)とは日本人英語学習者の大部分を占めるCEFR(Common European of Framework for Languages) A1(初学者), A2(初級者)レベル学習者にとって適切な難易度の英語例文と日本語訳が蓄積されているコーパスです。
CEFR(Common European of Framework for Languages) とは、語学コミニュケーションスキルを示す国際標準規格としてヨーロッパで広く認知されています。語学力を技能別に正確に測定できる唯一の英語力測定です。
(引用:https://www.efset.org/ja/cefr/)
教育用例文コーパス(SCoRE)の効果について書かれた論文があります。
- 日本人の英語学習者の多くはCEFR (Common European Framework of Reference for languages) のA1 かA2に該当する。
- CEFRのA1 レベルの英語は、全米の小学校のGrade 1から Grade 6(日本の小学1年次~6年次相当)に該当している。
- 教育用例文コーパス(SCoRE)には日本語訳がついており、英語学習者の英語に害する苦手意識を薄め、実際の学習効果が上がっている。
- 学習者からコーパスを使った学習自体が「楽しい」「面白い」「新鮮である」「集中できる」などと感じられ、能動的な学習を促すという学習者からのフィードバックを継続して得られてきた。
(出典:2018年日本大学生産工学部研究論文より)
コーパスとは、オンライン、メディアなどで使われている言語を集めて、コンピューターに保存し、検索できるようにしたデータベースです。
この考え方の中心にあるのは、実生活での言語の使用頻度であり、話し手が言語を使用して互いにコミュニケーションをとることで生じるということです。
したがって、日本の中学校レベルの英語を勉強するということは、生活で最もよく使われている英単語を学ぶことにもなります。
4. 英単語の覚え方のコツ3つ
ここで、英単語の覚え方のコツを3つ伝授しますね。
1. 英単語の意味を理解する
まず、単語の意味を理解します。
英語は1つの単語につき意味1つとは限りません。
大体1単語につき意味が2~3つある単語、また、その動詞形、名詞形があれば、動詞形、形容詞形もあります。
それらをひとくくりにして覚えるようにします。
その際、必ずどういったときに使われるのかをイメージします。
本にある例文を見て、この言葉の前後に使われている単語を見てどのような状況なのかをイメージしてみます。
ですが例外もあります。例えば、hardという単語を辞書で調べると、意味が10個以上あるのをご存知でしたでしょうか?
形容詞としての意味はおよそ12個、副詞としての意味は2つあります。
こういう場合は最初の2つの意味を覚え、残りのものは後回しにします。
なぜならここですべて覚えようとすると、他の単語にかかる時間を削ることになってしまうからです。
2. 単語を発音する
単語を実際に声に出して発音してみます。
その際気をつけたいのが、意味をイメージしながら正しく発音することです。
実際に声に出してみると、自分がイメージしていたものと違うと気づくことがあるでしょう。
ときには日本語にはない複雑な発音があります。
そういったときは、グーグル検索をするのがとても役に立ちます。
例えば「enthusiasm 発音」と検索すると、発音方法を教えてくれるウェブページ、YouTubeビデオなどが、表示されます。
1度だけでなく何度も繰り返して、あなたの発音がコンテンツの音声に近い発音になるまで練習しましょう。
おすすめはあなたの発音をスマートフォンやパソコンを使って録音することです。
発音したものを聴き比べてみると、どの音が聞き取れていないかがすぐに分かって便利です。
もしあなたがiPhoneを持っていたら、Siri( )を英語に設定して話しかけてみましょう。
会話が成り立てば、あなたの発音は問題ないでしょう。
恥ずかしい話ですが、私がSiriに話しかけても相手にしてもらえず、返事ももらえませんでした。
AIでさえ聞き取れないのですから、ネイティブの人たちが理解できないのも当然だと今ではよく分かります。
これらのものを使って練習すると発音も聞く力も上達することができます。
3. 文章を作り、誰かと話してみる
次に英単語を完全に記憶にとどめるために、文章を作ってみます。
これは、アウトプットの一環なのでとても大切です。
留学生だった頃は学校の先生に聞いてもらったり、クラスメートと話しているときに使ってみたりしていました。
誰かと話すのが難しいようだったら、ネイティブの人にメールを送ってみましょう。
もし話す相手がいないなら、ツイッターに英語の練習として投稿するという方法もあります。
英語を勉強している人は世界中にいますから、あなたの投稿が英語の勉強の一環であると知ったら、同志たちが声をかけてくれるかもしれませんよ。
5. おすすめの本とアプリ5つ
私が実際に使っていた(今も使っている)本とアプリを5つご紹介しますね。
1. Word By Word (ワードバイワード)
(出典:ebay.com)
この本は絵で見る辞書です。
私がNOVA英会話スクールに行っていた頃、外国人教師がイチオシしていたので、購入してみました。
この本のすごいところは、生活に密接した単語がたくさんあること、そして単語練習ができるような会話文が入っているところです。
おすすめは、この会話文を使って、自問自答して単語を覚えるというものです。
例えば、Where do you live ? I live in ___. という質疑応答のサンプルがあったとします。
そしたら、下線の部分に an apartment building, condo などと言葉を入れて単語を増やしてゆきます。
カナダに住んで12年目になりますが、それでも出てこない単語があり、今もこの本を開けて調べることもあるんですよ。
私の英単語力を上げるのに欠かせない一冊です。
2. キクタン(中学英単語)
この本は高校受験用の英単語で、CD付きです。
中学英語で習うコーパス英単語集です。
おすすめは、一気にやろうとせず、1日16単語と決めて覚えることです。
1度だけでなく何度も繰り返して覚えたので、本がぼろぼろになってしまいました。
ここに載っている単語をしっかり覚えたおかげで、自信を持って話すことができるようになりました。
3. 英辞郎
(出典:Scott’s tablet)
英辞郎は無料でダウンロードできます。
このアプリは単語を検索すると、熟語もセットで出てくるすぐれモノでしかも、音声での発音練習もできる一石二鳥のツワモノです。
ネイティブの話し言葉で理解できないことが今もあります。
そんなときにすぐに使える困ったときの英和辞書として使っています。
4. キクタンTOEICシリーズ
(出典: Scott’s Cell phone screen )
このアプリは有料です。
私は自分の英単語を増やすために600点用、800点用、990点用をセットで購入しました。
まとめて購入すると、単体で購入するよりお買い得です。
ちなみに、私の携帯電話の写真を載せました。
目につくところにアプリを持ってくると、嫌でも目に付き勉強せざるを得なくなります。
アプリを使うメリットは、1日の単語量があらかじめセッティングされていることです。
忘れてしまった単語も覚えてくれているので、復習するのにも困りません。
私は昼食前にこのアプリで学習しています。
5. Scrabble(スクラブル)
英単語を楽しみながら学びたいと思っているあなたにオススメのゲームがあります。
それは、「Scrabble」という単語をつくる対戦型のゲームです。
手持ちのコマを使って単語を作らなくてはいけないので、頭をうんと使います。
私も最初は単語があまりにも分からないため、辞書を片手にああでもないこうでもないと言いながらゲームに挑んでいました。
もちろん、ネイティブの人にはかなわず、毎回負け続けていました。
その代わり新しい単語も学ぶことができて、いい経験になったと思っています。
もし興味がありましたら、お試しくださいね。
6. まとめ
英単語の覚え方のコツをまとめてみました。
- 英単語の学習の成果は目に見えにくく、単調な作業である
- だからこそ、毎日時間を作り継続的にする必要がある
- モチベーションを保ち、最後まであきらめないというマインドが大切
- タスクを作り単語を覚える
- 1つの本を何度も繰り返し、意味と発音を理解する
- 単語の意味を効率的に覚える
- 単語を声に出し、正しく発音できるようにする
- アウトプットして、単語を使った文章を作り、誰かと分かち合う
私の経験が少しでもお役に立てたらうれしいです。
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