アメリカに留学すると移動に必ず車が必要になると言っても過言ではありません。
車が必要ということは運転免許も必要になるという事になりますね。
実は車の免許の規定はアメリカでは州によって違います。
この記事では私が留学していた州でもあり、日本人留学生が全米で最も多いと言われているカリフォルニア州の運転免許で必要になることをお伝えします。
カリフォルニア州で車を運転する上で大事な事なので、留学先を決めるのと同時に運転免許をどうするかを考えてみませんか?
アメリカ・カリフォルニア州の留学生で免許が必要な人
最初に簡単に申しますと、ビザを取得して授業料を払っている留学生はカリフォルニア州で運転をするときに現地の免許が必要となります。
カリフォルニア州法は、「州内に住居を定めた日から10日以内に州政府の発給した運転免許証を取得しなければならない」旨規定しています。この規定は、外国からの転入者に限らず、米国内の他州から転入してきた場合にも適用されるため、カリフォルニア州内に住居を定めることとなった者は、国際運転免許証や他州の運転免許証を所持している場合でも、同州の運転免許証を取り直す必要があります。
またDMV(DEPARTMENT OF MOTOR VEHICLESの略)は「CALIVORNIA DRIVER’S HANDBOOK」に、居住者の定義として本文の一部に以下の旨を記してあります。
• 投票権を持つ選挙人としてカリフォルニア州内で登録する。
• カリフォルニア州の大学 / 総合大学で州内学生授業料を支払う。
• 住宅所有者として資産税控除を申告する。
• 非居住者は対象とならないその他の権限 / 恩恵を受けている。
つまり、短期留学であってもビザを取得している留学生は大抵大学や語学学校に授業料を払っている事になり「居住者」としてカリフォルニア州に滞在しているとみなされるというわけです。
しかし、ここで注意しておきたいことが2つあります。
- ビザなどの必要書類の有効期限が60日未満で切れてしまう場合、運転免許の申請ができない。
- DMVに行った際に日本の運転免許に穴を開けられてしまう事があるので、窓口に提出する時に穴を開けずにそのまま返してもらうように伝える。
特に長期留学で移動に車をを必要とする留学生は運転免許を取得する事を検討した方が良いと言えます。
カリフォルニア州で免許を取得するメリット
次の4つが主にカリフォルニア州で運転免許を取得するメリットです。
- 誰かに運転をお願いせずに自分の都合で移動する手段ができる。
- 身分証として運転免許の提示が可能になりパスポートを持ち歩く必要がない。
- 日本で運転免許を取得するときと比較にならないほど簡単に取得できる。
- 日本の運転免許への書き換えが可能。
これからそれぞれのメリットについて解説していきますね。
運転免許取得のメリット①自分の都合で移動が可能
アメリカは車社会で日本では考えられないほど車を必要とします。
大都市であるニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコの中心部などは公共の交通機関である地下鉄やバスが発達しているところもありますが、少しでも郊外に出ると車なしで生活するのは非常に難しいものでしょう。
車の免許や車がない留学生はどうしても誰かに運転をお願いしなくてはならなかったり、バスの乗り継ぎをたくさんしなくてはならなかったりと不便な事だらけです。
車の免許と車があれば自分の都合で移動ができるので驚くほど生活環境が良くなります。
運転免許取得のメリット②パスポートを持ち歩く必要がない
カリフォルニア州では日本よりも頻繁にID(身分証)の提示を要求されます。
例えば買い物でクレジットカードやパーソナルチェックを使う時やお酒を購入する時、レンタル契約を結ぶとき、お店(サービス)の会員登録をする時などに提示を求められるのでほぼ毎日のように提示する事になるのです。
毎日のようにIDを提示するということはパスポートを常に持ち歩かなくてはならないということに他ならないのですが、運転免許証があればパスポートを滞在先においておけるので外出時に紛失をしたり盗難にあったりという確率が格段に減ります。
そして、IDを求められるたびにパスポートを見せるより運転免許を見せるほうがはるかに身軽です。
運転免許取得のメリット③日本よりも簡単に取得できる
カリフォルニア州では日本のように筆記試験は難しくはないですし、運転実技講習や練習の時間が規定されていません。
また、筆記試験は日本語で受けることができるので余計な緊張を避けられます。
引っ掛け問題などがないので猛勉強しなくてもハンドブックをよく読んでいけば、ほぼ合格できるのです。
更に、運転免許申請にかかる申請料がたったの39USドル(2022年1月18日時点)で済みます。
筆記試験は無料で3回まで認められていて、この申請料は12か月有効です。
実技試験は2回目以降は9USドル追加になりますが1回目は無料となります。
また、実技試験は筆記試験と同様最初の申請で3回までは受けることができますが、3回落ちてしまうと申請からやり直しとのこと。
しかし、もしあなたが3回落ちてしまったとしてもチャンスがなくなるわけでなく、また39USドルを払えば試験を受けることが可能なのです。
一般的に日本では20万円以上かかってしまう運転免許が、カリフォルニア州では5千円もかからないで取得できるのでかなりお得ですね。
運転免許取得のメリット④日本の運転免許への書き換えが可能
カリフォルニアから帰国して日本で運転免許が欲しいとなれば、このカリフォルニア州の運転免許証は無駄になりません。
1年以上カリフォルニア州で運転免許を取得して滞在していることと、その運転免許証が有効期限以内であれば、日本で免許をとる時に試験内容をかなりの簡略してもらえるという恩恵付きなのです。
実は私も運転免許を作ることなくカリフォルニア州に留学したのですが、運転免許がないとあまりにも不自由だったため、カリフォルニア州の運転免許を取得しました。
日本に帰国して運転免許証がほしくなった時に運転免許試験場に問い合わせてみたら、とても簡単に日本の運転免許をとることができました。
また日本での試験も車の教習所などに通う事が義務付けられていなかったため試験の手数料だけで済んだのです。
運転免許取得に必要なもの
ここでは、カリフォルニア州の運転免許の申請と取得に必要なものを説明していていきます。
まず申請に必要なものを揃えていきましょう。
- Valid passport
- Printout of I-94 admission record
- USC I-20/DS-2019
- Two residency documents (lease, utility bill, etc.)
(和訳)
- 有効なパスポート
- プリントアウトしたI-94(入国証明書)
- I-20(入学許可証)/DS-2019(J1ビザの方のみ)
- 住所を証明する書類を2つ(賃貸借契約書、公共料金請求書等)
以上の全ての書類は原本でなくてはなりません。
コピーは受け付けてくれないので注意しましょう。
また、住所の証明書以外の書類は有効期限の日付が申請時から60日以降でなければなりません。
他にも必要なものがあります。
- 有効期限が60日以降のビザ
- 申請料39USドル(2022年1月18日時点)
- DL44(運転免許申請用紙)
以上の7点が運転免許の申請時に必要なものになります。
そして、実技試験では筆記試験に合格した時に発行してもらえる「PERMIT(仮免許)」もしくは「TEMPORARY DRIVER LICENSE(日本の免許証や国際免許証があり、その有効性が認められた場合に発行される)」が必要になります。
また試験車両、その車両の登録証と保険証も必要となります。
カリフォルニア州の運転免許取得方法
ここでは運転免許を取得するステップを紹介します。
- 「DMV」へ行く
- 筆記試験のための勉強をする
- 再び「DMV」へ行って申請時に必要なものを出す
- 指紋のスキャンをしてもらう
- 視力検査をしてもらう
- 写真撮影をしてもらう
- 筆記試験を受ける
- 実技試験の予約をする
- 実技試験を受ける
- 合格して「TEMPORARY DRIVER’S LICENSE」を発行してもらう
以上の10ステップでカリフォルニア州の運転免許の取得ができます。
運転免許取得第一歩は「DMV」へ行く
カリフォルニア州の運転試験を受けることを決めたら、最寄りの「DMV」へ行ってみましょう。
そして、DMVにあるDL44 (申請用紙)とCALIFORNIA DRIVER’S HANDBOOKをもらう事をおすすめします。
DL44の記入時に以下の事を気をつけておきましょう。
- 「EYE COLOR」は多くの日本人がBROWNに該当します。
- 「HEIGHT/WEIGHT」の単位ですが、ft(フィート)、in(インチ)/lb(ポンド)となっています。
この申請用紙の記入は筆記試験当日にも書くことができるのですが、事前にもらっておいて記入しておくと良いでしょう。
試験当日にストレスになることもあるので、それを避けるためにこの手間はかけておいた方が良いと思います。
また、DMVに行った際に「CALIFORNIA DRIVER’S HANDBOOK」も併せて入手しておいた方が良いです。
このハンドブックの中から筆記試験の問題が出るだけでなく、車の運転をする時に必要な情報がたくさん載っています。
日本語だけではなく英語で理解する事も何かあったときに対応するのに必要なので、一冊持っておくと安心です。
運転免許の筆記試験のための勉強をする
筆記試験を受ける当日に再びDMVへ足を運んでください。
ハンドブックで十分に勉強してから筆記試験を受けましょう。
日本語で筆記試験を受けることも可能です。
日本語で筆記試験を受ける場合は日本語版の「California Driver Handbook in Japanese」を英語版と照らし合わせながら読んでおくとより良いでしょう。
この時に先程お伝えした必要書類を忘れずに持って行って窓口で提出し、筆記試験を受けに来たことを伝えましょう。
免許取得のため指紋のスキャンと視力検査を受ける
やっと運転免許取得のプロセスが「DMV」で始まります。
まずは「Thumbprint scan(指紋スキャン)」です。
職員の指示に従ってスキャンをしてもらいましょう。
視力検査は「VISION EXAM」と言います。
ここも職員の指示に従って検査をします。
運転免許の写真撮影
次は写真撮影です。
順番が来るまでに待ちくたびれてしまっても一夜漬けで勉強していたとしても顔色にかかわらず撮影されてしまいます。
運転免許の筆記試験(Knowledge test(s))
やっと筆記試験が始まります。
筆記試験はタッチパネルで立って行い、3回まで受けることができます。
3回落ちてもチャンスがなくなるわけでなく、また申請書からやり直しをして申請料をしっかり払えばまたチャンスがあるのであまり深刻にならないでくださいね。
筆記試験に合格すると「PERMIT(仮免許)」を発行してもらえます。
もし日本で免許を持っている場合は申請時に提出しておくと「TEMPORARY DRIVER LICENSE」をもらうことができるので忘れないようにしましょう。
TEMPORARY DRIVER LICENSEをもらえると実技試験の練習を同乗者なく一人で公道を走って練習することができます。
運転免許の実技試験(Behind-the-Wheel Drive Test)
実技試験はほとんどの場合DMVの周りの公道を回るだけで終わってしまいますが試験官はありとあらゆることをしっかり見ています。
私が一番緊張したのは運転席で操作をする部品の名称を間違えないようにすることでした。
実技試験の最初はそれぞれの操作をする部品の名称を言われ、チェックするところから始まるのです。
私は一番緊張しているときになれない名称を言われて、焦ってしまいました。
ブレーキやハンドル(ステアリングホイール)といった分かりやすい名称もあります。
しかし、例えばサイドブレーキはエマージェンシーブレーキと呼ばれます。
日本で使われている英語と思っていた名称と違う場合もありますので、チェックしておいた方が良いでしょう。
教えてくれる人が周りにいない時は、一度で良いのでドライビングスクールで教えてもらう事も視野に入れてた方が良いかもしれません。
実技試験の合格!運転免許取得!
晴れて実技試験に合格したらその場で「TEMPORARY DRIVER LICENSE」が発行してもらえます。
運転免許が届くまで発行してもらった「TEMPORARY DRIVER LICENSE」を車を運転する時には所持しなくてはなりません。
またパスポートも同じく免許が届くまでしばらく持ち歩くことになります。
気をつけたい事は「TEMPORARY DRIVER LICENSE」の期限が切れても運転免許証が届かない時です。
再度DMVへ行き、「TEMPORARY DRIVER LICENSE」を更新する必要があります。
まとめ
- カリフォルニア州では留学生もカリフォルニア州に居住しているのであれば現地の運転免許なしでは車を運転してはいけないこと。
- 現地では運転免許を持っていると便利であること。
- 現地で運転免許を取得することは日本で免許を取得するよりもはるかに簡単であること。
- 運転免許申請には主に6つの必要書類と申請料39USドルがかかること。
- 運転免許取得には筆記試験と実技試験があること。
以上の事をお伝えしてきました。
こうして調べていくと、カリフォルニア州では運転免許を取得するのはそれほど難しくありません。
私は車のノウハウは全く分からない初心者でしたが、カリフォルニア州に留学している間に運転免許を取得してかなり移動の問題が解決できました。
勇気はいりますが、あまりかまえ過ぎず是非トライしてみてくださいね。
関連記事↓
コメント